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或る風呂あがりの夜。 或る風呂あがりの夜。

冷蔵庫から取り出したクラフトビールを飲みながら、偶然流れていたTV番組を眺めていた。思い返せば昼最大のハイライトは、何と言ってもかなり大量の生豆の荷が運送業者のトラックからバックヤードに届いたことだった。焙煎後にそれをせっせと一袋ずつ荷車で店内に運びこみ、配置のレイアウトを考えながら積み上げて収納したのだった。今夜は酒を飲むなら昨夜空けた飲みかけのワインの続きじゃなくて、きっと賑やかな気分でまずビールがいい。気持ちよく爽やかな労働の汗もかいたし、我ながら首尾良く無事おさめて結構いい仕事をした。帰ってからも大型犬との散歩を十分満喫した。遅い夜、こうして一日を満足げに高揚感とともに振り返りながら、心地よく喉を通るフルーティーで華やかなエールを味わっていたところだった。番組を何気なく見ていると、それは小さな下町の旨い豆腐をつくると評判の小さな豆腐屋のことだった。古い木造2階建のかなりくたびれた感じのその豆腐屋では、寡黙な主人が豆腐づくりでもうかれこれ50年近く職人をやっているとぶっきらぼうに応えていた。別の豆腐職人も続いて紹介されており、豆腐づくりに30年、仕事ではなくこれはもう生き様なのだと彼は言葉少なく語っていた。気分よく飲んでいたビールの旨さはなんだか遠くにぼやけてしまい、あたかもラガーのような苦味の余韻が引きずった。たかだか自分はこの程度の仕事ぶりで、こんなことじゃまだまだ敵わないなと思い知らされた酔えない夜になってしまった。思いがけず強力で刺激的なヒーロー達の登場で、驚嘆したりへこんだり勇気をもらう場面は日常よくあって、この前は移転する前の東京築地市場の仲買人のドキュメントだっただろうか。彼らはスペシャルティコーヒーのことなんかは、もしかしたら知らないかもしれないけれど、あれも相当痺れる男っぷりで感嘆する仕事ぶりだった。こんなふうに偶然垣間見る、多くの市井の人々の働きぶりや生き様の物語に、いつも胸の奥を揺さぶられ続けている。もう街なかの身近なカフェやコーヒーショップなど、今では比較的どこでもおいしいコーヒーをごく普通に飲むことができるようになった。そして世界は結構あちこちで静かに強力に次々と変化して進んでいることを実感しない日はない。人工知能が牽引するデジタル化が未来へ向けてさらに加速し、商品やサービスの多くが情報技術と過剰に結びついて、科学技術の革新やグローバル化がますます高度に進もうとしている。テクノロジーは間違いなく、多くの未来の仕事場にも革命を起こしつつある。これが果たして便利で豊かなことなのか、本当に幸せなことなのかは今もよくわからないで混乱しながら生きている。それでもこのような時代の現実のなかで自分なりに日々闘いながら、五感で感じる感覚や感性を手がかりに僕たちは大事な仲間とともにコーヒーの仕事をしている。先進的なITのツールだって仕事場には取り入れている一方で、俯瞰すれば僕たちの仕事の基本はそもそも地味な連続で労働集約的でしかも孤独だ。世界の生産地から届く選りすぐられたスペシャルティコーヒーの生豆を、僕たちは実にローテクに地味な手間をかけてさらに選別し、そして経験を年々重ねながらアナログ感の満載な技術手法で日々焙煎をしている。マイクロコーヒーロースターでここまで見えない手間やコストをかけているところももうあまりそう多くはないんじゃないかと思う。仕事のあるべき正しき姿勢は、きっとあの偶然見て共振した豆腐屋や魚市場の仲買人のような姿勢であって、それは単にトレンドやファッションとしてスタイリッシュに語られるようなコーヒー屋の薄っぺらさのなかにはなく、ただただ本当に価値のあるおいしいコーヒーを愚直に丁寧に磨いて提供するという自分との闘いなのだろう。おいしいものを提供するための過程には手を抜かず、お客様にとってのあたりまえの仕事をあたりまえに正しく仲間全員とクリエイティブに淡々と行う。他の多くの仕事と同様に、僕らの仕事がこの時代の変化のなかでいつまで続くのかは正直わからない。けれど、そんな僕たちのことを気にもさせずに、お客さまにはおいしいコーヒーが傍らにあったその瞬間の大切な記憶だけをいつまでも大事にしていってもらえればいい。穏やかな海をのぞむ瀬戸内・広島の小さな街、尾道。僕たちはこの美しい瀬戸内の小さな街を拠点に、時代に抗うかのようなローテクでアナログでヒューマンなコミュニケーションでそれらを駆使しながら、地域をはじめとする大切なお客さまの日常へおいしいコーヒーを仲間とともにお届けしていきたい。あの豆腐職人や魚市場の仲買人のような高潔で熱い心意気や眩しい仕事っぷりに負けないように。お客さまの感動の笑顔はもちろん、そしてきっと僕自身の正しき満足の夜の祝祭のためにも。

偶然流れていたTV番組を眺めていた。多くの市井の人々の働きぶりや生き様の物語にはいつも胸の奥を揺さぶられる。穏やかな海をのぞむ瀬戸内・広島の小さな街、尾道。僕たちはこの美しい瀬戸内の小さな街を拠点に、時代に抗うかのようなローテクでアナログでヒューマンなコミュニケーションでそれらを駆使しながら、地域をはじめとする大切なお客さまの日常へおいしいコーヒーを仲間とともにお届けしていきたい。あの豆腐職人や魚市場の仲買人のような高潔で熱い心意気や眩しい仕事っぷりに負けないように。お客さまの感動の笑顔はもちろん、そしてきっと僕自身の正しき満足の夜の祝祭のためにも。

株式会社瀬戸内コーヒー焙煎所
代表取締役 中山幹夫

Classico クラシコ

最高品質のスペシャルティコーヒーを
自家焙煎するコーヒーロースター。
豆売り専門店ならではの品質・味づくりにこだわり、
「品質・鮮度・おいしさ」にすぐれた
スペシャルティコーヒーを連日焙煎。

〒722-0035 広島県尾道市土堂1-3-28
Tel. 0848-24-5158
10:00-18:00 / 通常無休(季節休業あり)
www.classico-coffee.jp

AROUND アラウンド

テイクアウト専門のスペシャルティコーヒースタンド店。
ラテやドリップコーヒーをはじめ、
各種ジュース、ソフトクリーム、
季節の自家製オープンサンドやスープなど
良質なおいしさにこだわったテイクアウトメニューをご提供。

〒722-0035 広島県尾道市土堂1-8-12
Tel. 0848-38-2330
10:00-18:00 / 通常無休(季節休業あり)
www.around-coffeestand.jp

会社概要

会社名 株式会社瀬戸内コーヒー焙煎所
所在地 722-0035 広島県尾道市土堂1-3-28
電話 0848-24-5158
創業 2010年4月
設立 2015年10月1日
代表 代表取締役 中山幹夫
資本金 3,000,000円
事業内容 スペシャルティコーヒー豆の焙煎製造・小売卸売、飲食営業、物販業ほか
取引銀行 広島銀行尾道支店 しまなみ信用金庫尾道支店 日本政策金融公庫尾道支店